Match maker
「各々に、比率があるのか?」

引いてるかと思ったけど、意外にも田中さんも話に入ってくる。

【まぁな、ベストバランスがな。外見上か、生物学上か…。まぁ、外見上で言うと、実雅は…完璧というか…逆にあれやね、2次元に近い。】

「ああ、本当。そう思う。」

私がそう答えた。顔の大きさとか、足の長さとか…

【逆に雅実は…】

0が言いたい事が、分かる。

慌てて黙らせようとすると

「完璧だ。」

田中さんが、そう言った。

「完璧だよ、0。雅実は。」

そう…言った。

恥ずかしくなって、俯く。

だけど…何だろう、嬉しい。

【まぁ、な。人間は、それがある。俺らみたいに一定で効率よく考えられてない。だからこそ、欠点のように見える歪さに惹かれるのかもな。】



欠点?

(いびつ)

私の外見上の特徴の事でしょうか。

いや、まぁ、そうですけど。

完璧な見た目の人と完璧なAIに言われると…

「完璧だよ、雅実は。」

田中さんは、0に言わずに、私にそう言った。

静かな時間か流れた。

キャップを脱いだ彼の髪が柔らかに…風に揺れる。

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