エリート外科医といいなり婚前同居
「……ちょっとした修羅場が想像できました」
「だろ? わかったらもっとくっつく」
礼央さんに無理やりけしかけられ、私は「えいやっ」と心の中で気合を入れながら、彼の腕にしがみつくようにして、ぎゅっと掴まった。
「こ、これならいいですか?」
照れる気持ちを抑えながら彼を見上げると、礼央さんは満足げに目を細めて頷いた。
「よくできました。じゃあ、今度こそ行こう」
「はい……っ」
覚悟を決めて、礼央さんとともに重厚なつくりの玄関へ向かっていく。
きっと、大丈夫……。誰も、私たちの関係が偽物とは知らない。
なにより私の心には……偽物なんかじゃない、紛れもなく確かな恋心があるんだから。
*
会場となる広間にはすでに二~三十名ほどのゲストが集まっていて、いくつかのグループに分かれ談笑していた。男女比は半々くらいで、皆きちんとドレスアップしている。
室内には真っ白なクロスのかかった丸テーブルが点在し、ありとあらゆる御馳走が並んでいる。
部屋の隅にはビリヤード台とダーツマシンまで取り揃えてあり、ホームパーティーとは思えない優雅な雰囲気が漂っていた。