エリート外科医といいなり婚前同居
帰宅してからいつものように夕食の準備をしていたら、携帯に礼央さんからメッセージが入った。
【橋本の体調が悪くて、当直変わることになった。明日もそのまま勤務だから、今夜は帰れない。明後日は休みをもらったから、ふたりでゆっくりできると思う】
そっか……。橋本さんの代わりに……。今夜は礼央さんとゆっくり話したかったのにな。
落胆しつつも、仕事ならば仕方がないと納得して返信を打つ。
【了解です。休めるときには休んで無理なさらないでくださいね】
【ありがとう。今から仮眠室で少し眠るよ】
そんな礼央さんの返事に、私はお気に入りのリスのスタンプで【おやすみなさい】と送り、既読がついたのを確認してスマホをエプロンのポケットに戻した。
作りかけだった夕食はそのまま完成させ、自分のぶんを取り分けた後はタッパーに入れて冷蔵庫へしまった。
ひとりで味気ない食事を済ませてお風呂も入り終えると、なんだか手持無沙汰になってしまい、ぼうっとテレビを見るしかなかった。
「……やることないし、寝よ」
今日は早く休んで、明日は大学の授業もないから朝から気合を入れて掃除や洗濯をしよう。
家がきれいになっていれば、働きづめだった礼央さんも気持ちよく休めるだろうし。頭の中でそんな計画を立てながら、私は早々と寝室に引っ込んだ。