エリート外科医といいなり婚前同居
翌朝は予定通り早起きして、寝具やマット類の洗濯をしたりいつもより丁寧に部屋の掃除をした。
真剣に家事をしているうちにあっという間にお昼を過ぎてしまい、今日はひとりだし簡単なものでいいやと、近所のコンビニに出かけた。
適当なパンとスープ、サラダをカゴに入れた後、自然と足が向いたのはデザートコーナー。礼央さんは仕事で頭を使うからか甘いものは好きで、紅茶と一緒によくお仕事のお供にしているのだ。
今夜は礼央さんが帰ってきたらふたりで甘いものを食べながら、夜のティータイムでも楽しもうかな。
ようやくふたりで過ごせる数時間後に思いを馳せて胸をときめかせながら、同じロールケーキをふたつ購入した。
足取りも軽くマンションへ戻ると、エントランスに三十代くらいの見知らぬ女性がいて、受付の人となにか話していた。
モデルのような長身、よく手入れされたブラウンのロングヘア、気の強そうな印象の大きな瞳。とても美人で堂々としたオーラが漂っている女性だ。
私とは正反対……。そんなことを思いながら、受付の横を素通りしようとしたけれど。
「暁さまとお約束はされていますか?」
「いえ、してないんですけど……用があるんです。彼の家政婦に」