エリート外科医といいなり婚前同居

「そんなの信じません、私」

「あなたが信じなくたって、暁先生の話を聞いた同僚たちみんな、あなたに同情しているわ」

「同情……?」

「上っ面の甘い言葉に騙されて、甲斐甲斐しく彼の世話を焼いて。愛されてると錯覚して心まで囚われちゃって……まだ若いのに可哀想って」

そんな……。由貴さんの言っていることは全部嘘だよ。礼央さんは、ちゃんと私を想ってくれているはずだもの……。

言い返す言葉を探しながら、私は自然と胸元に手をやり、クリスマスプレゼントのネックレスをぎゅっと掴んでいた。

そこに、礼央さんの気持ちがあるような気がして。勇気をもらえるような気がして。

由貴さんは私のその動作を見て、ネックレスの意味を察したらしい。

「それ、彼にもらったの?」

「そうです……クリスマスプレゼントに」

「物でつられるなんて、本当に純粋で頭の悪い子なのね」

ため息交じりに呆れられ、どんどん心が弱っていく。こんな悪意まみれの言葉に惑わされたくなんかないのに、礼央さんを信じる心が折れてしまいそう……。



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