エリート外科医といいなり婚前同居
私はふらふらとリビングに戻り、スマホを手にすると【相談があるんだけど、講義のあと時間ある?】と雅子にメッセージを打った。
すぐに返信が来て、それがいつもの雅子らしい内容だったので、私は思わず笑ってしまった。
【あるよー! 発酵カフェ行っちゃう? 新作スイーツが出てるらしいの!】
雅子は大学で微生物の生態に魅せられ、より深く微生物の研究がしたいと大学院に進もうとしている、いわゆるリケジョ。
美人でスタイルもよく、一見モテそうな感じなのだけど彼氏はおらず、顕微鏡を覗くのが生きがいの、ちょっと変わった女の子だ。
大学に入った当初、二浪しているというコンプレックスからなかなか友人が作れないでいた私は、周囲から孤立していた。
でも、大学は勉強するところだし、別に友達なんていなくてもいいか……。
そう諦めかけていた時に、たまたま授業で一緒になった雅子から声を掛けられたのだ。
『ねえねえ、あなた、いつも浮かない顔してるけど……腸内環境、悪いんじゃない?』
そして、雅子が研究の一環で手作りしたという乳酸菌飲料を渡され、こわごわ飲んでみたらめちゃくちゃ美味しかったうえ、便秘が解消された。