エリート外科医といいなり婚前同居
「千波自身はどうなの? 暁さんのこと、好き? 嫌い?」
「えっ」
暁さんのこと、好きか嫌いか……? 考えたこともなかったけど……。
私は彼との生活を思い返し、現在の正直な気持ちを告げる。
「どちらかというと……嫌い、かなぁ」
「あれっ、そうなんだ。どうして?」
意外そうに問い返され、私は眉をひそめながら言った。
「だって……私は真面目に働こうとしてるのに、暁さんに変なこと言われると、平常心じゃいられなくなるんだもん。昨日一日と今日の朝だけで、どれだけ動揺させられたか……」
「うーん……そっか。千波、もしかしたらそれって結構……」
雅子がなにか言いかけたけれど、私は大事なことを思い出して彼女の言葉を遮った。
「あっ、あとね! あの人、寝室にやらしー物隠してるの!」
「な、なによ、やらしー物って」
私の勢いに圧倒されつつ、雅子が怪訝そうに聞いてくる。
私は周囲のお客さんを警戒するように見回してから、テーブルに身を乗り出し小声で発表した。