エリート外科医といいなり婚前同居

「む、無理っ! 困るよ! 勝手にそんな相手にされたって!」

でも、最初に雅子に言われた〝暁さんの純粋な好意説〟よりよっぽど説得力がある。

今朝はさっそくベッドに連れ込まれたし……もしかして、あの時もかなりの危険が迫っていたの!?

「お、落ち着いて千波。私から言い出しといてあれだけど、まだそうと決まったわけじゃないから」

雅子になだめられ、暴れまくっている胸に手を置いて深呼吸をした。

そ、そうだよね……。彼みたいな大人の男性が、私みたいなお子様でその気になるとも思えないし、父のことだってある。軽々しく手を出すなんてこと、しないよね……?

「とにかくさ、危機的状況になったら私に連絡して? 微生物ちゃんたち放り出して助けに行くからさ」

「うん、ありがと雅子……」

情けない声でお礼を言って、雅子と手を握り合った。

どうしよう……。雅子に暁さんのことを相談できたのはよかったけれど、新たな悩みが生まれてしまった。

まさかとは思うけど、彼があの聴診器を私に使おうとしているとしたら……私は逃げられるのだろうか。



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