雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

雨宮「ひよこ」
陽和「ひよこじゃなくて、ひよりです」
雨宮「腹減った」
陽和「でしょうね、さっきからすごい音がしてますよ」

雨宮のお腹を指でさす。

陽和「何か作りましょうか」
雨宮「そうしてくれ」
陽和「あ、でも冷蔵庫の中、からっぽでしたよ」
雨宮「20階にコンビニがある」
陽和「じゃぁ、適当に買ってきますね」
雨宮「いや、何か作ってくれ」
陽和「でもコンビニで買えるものなんて……」
雨宮「たまご、ハム、冷凍ミックスベジタブル、牛乳があればオムレツが作れるだろ。シーチキンの缶詰を入れても旨いぞ」

うわー、めっちゃ指定してくる!

陽和「分かりました、ちょっと待っててくださいね」
雨宮「まて、ひよこ」
陽和「だから、ひよこじゃなくてひよりです。何ですか?」
雨宮「水を、もうひと口……」

陽和が持っていたペットボトルを取ろうとして、バランスを崩す雨宮。
咄嗟に雨宮の手を掴み助けようとした陽和だったけど、そのまま一緒に倒れ、雨宮の体に覆い被さってしまった――――。

雨宮「入社初日から大胆だな」
陽和「ちがーう!」

顔を真っ赤にする陽和。
その態勢のまま、雨宮が水を飲むから視界のすぐそばで彼の喉ぼとけが上下して……。

無駄にイケメン、無駄に色気放出。
こんな人の専属秘書なんて、やっていけるのか? 私。
激しく不安!
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