雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

〇AMAMIYA FOODS本社、社長室(朝)

雨宮・陽和・榊が出社すると、すでに仕事を開始していた社員が手を止めて挨拶をする。その中には母が入院する病院で会った立花もいて、笑顔で陽和に手を振っている。

榊「みなさんに紹介します、今日から社長の専属秘書として働くことになった花里さんだ」
陽和「花里です、よろしくお願いします」
真面目そうな眼鏡の男性(30代)「大西です、よろしく」
太ってて童顔の男性(20代)「持山です。みんなにはもっちーと、呼ばれてます」
ボブヘアの女性(20代)「伊藤です。よろしくね!」
巻き髪のナイスバディ女性(40代)「秘書課のチーム長・米山です。陰ではヨネさんって呼ばれてるみたいだけど、私の前で呼んだらぶっコロすからね。よろしく」
立花(20代)「あはは、おっかねーな。ヨネさんは」

その瞬間、米山の右フックが立花の顔面にクリティカルヒットし、流血する。
陽和の目がまん丸になる。
個性豊かなメンバーに圧倒されながらも、陽和はみんなに頭を下げた。

雨宮「自己紹介は済んだか? ヨネさんちょっと」
米山「なんでしょう」

拳を震わせながら、笑顔で答える米山。

雨宮「悪いが、花里を連れて百貨店に行ってきてくれ」
米山「百貨店ですか?」
雨宮「あぁ、デパートでもブティックでもいい。このダサすぎる恰好を何とかしてくれ」

そう言って雨宮は「これで」と財布からカードを抜きだし、米山に渡す。
ブラックカード!

米山「今、どうしても手が離せない案件を抱えているんですけど」
雨宮「ヴィ◯ンの最新バッグでどうだ」
米山「かしこまりました(超笑顔)行きますよ、花里さん」
陽和「え、ちょっとまってください。どうして百貨店なんかに」
雨宮「スーツと、パーティードレスを何着か買ってこい。僕の専属秘書がこんなリクルートスーツだなんて、ありえない……無理だ」
米山「そういうことよ。さぁ、早くヴィ◯ン……じゃなくて、お洒落なお洋服を買いに行きましょう」

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