雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

4章おまけ


〇雨宮のマンション(夜)

某高級ホテルのパーティーの帰り、酔っぱらった陽和を抱えた雨宮はリビングのドアを開ける。
そのまま陽和を寝室のベッドまで運ぶ。
それからTシャツとスエットに着替え、戻ってくると、陽和が起きていた。


陽和「んー、暑~い。苦しい」
雨宮「目が覚めたか?」
陽和「覚めてますよぉ、ずーと起きてます」
雨宮「嘘つけ」
陽和「ほんとですってぇ」
雨宮「今、水を持って来るから、待ってろ」

雨宮の声が聞こえているのか、いないのか。
んーと低い声で返事をした陽和は、おもむろに立ち上がりドレスの紐をほどく。

陽和「暑~い」
雨宮「おい、待て脱ぐな!」

と言ったものの酔っ払いが聞くわけでもなく、完全にドレスの紐をほどいた陽和の肩があらわになって……慌てた雨宮が自分の上着を脱いで陽和に被せた。

雨宮「危ないやつだな」
陽和「社長、私い」
雨宮「どうした?」
陽和「私、すっごい頑張ります~頑張って、スーパー専属秘書になってぇ、社長に恩返しをしますうううう」

そう言いながらも、また眠りに落ちる陽和。
陽和にTシャツを着せていた雨宮は、彼女の両肩に手をおいたままの状態。
そんな中で眠る陽和の姿があまりにも無防備で、可愛らしく――。

雨宮「ひよこのくせに」
頬を抓る。
陽和「んーふふ」
なぜか笑う。
雨宮「僕を動揺させた罰だ」

そう呟いて、雨宮は眠る陽和の唇にキスをした。

< 62 / 79 >

この作品をシェア

pagetop