雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
結局、高杉とは付き合うことなく振られてしまった。
気の合うただの友達だと思っていたけど、あれは恋だった。
そう気が付いた時には遅く、彼はすぐに新しい彼女を作っていた。
それから、専門学校に進学した頃。
父が亡くなり、アルバイトを始めた頃。
就職難民になり悩んでいた頃。
仲良くなる男性はいたけど、恋人に発展することはなく。
高杉に言われた言葉を、今もどこかで引きづっている。
~~回想シーン終わり~~
☆シーンは、雨宮と仕事(テイスティング)をしているところに戻る。
ぼんやりしている様子の陽和に気が付き、雨宮が声を掛ける。
雨宮「ひよこ」
陽和「え?」
雨宮「どうした、何かあったのか?」
陽和「何かって……」
聞き返した陽和を遮るように、雨宮の手が伸びてきて陽和の肩に触れる。
そのまま覗き込むようにこちらを見る雨宮が、キスしたとき(陽和目線では、夢か妄想か分からないけど)と重なり――――思わず、両手を突き出し拒絶のポーズを取った。
雨宮「ひよこ……?」
陽和「すみません、今日はもう疲れたので帰ってもいいですか?」
雨宮「あぁ、家まで送ろう」
陽和「タクシーを拾うので大丈夫です。それから、」
雨宮「それから?」
陽和「今後、こういう仕事は会社の方でお願いします……誤解されたくないので」
陽和は俯き加減でそういうと、荷物をまとめ始める。
その様子を見つめていた雨宮は、何か言いたげな表情をしていたが、結局は何も言わず陽和が乗るタクシーを呼ぶ電話をかけた。
気の合うただの友達だと思っていたけど、あれは恋だった。
そう気が付いた時には遅く、彼はすぐに新しい彼女を作っていた。
それから、専門学校に進学した頃。
父が亡くなり、アルバイトを始めた頃。
就職難民になり悩んでいた頃。
仲良くなる男性はいたけど、恋人に発展することはなく。
高杉に言われた言葉を、今もどこかで引きづっている。
~~回想シーン終わり~~
☆シーンは、雨宮と仕事(テイスティング)をしているところに戻る。
ぼんやりしている様子の陽和に気が付き、雨宮が声を掛ける。
雨宮「ひよこ」
陽和「え?」
雨宮「どうした、何かあったのか?」
陽和「何かって……」
聞き返した陽和を遮るように、雨宮の手が伸びてきて陽和の肩に触れる。
そのまま覗き込むようにこちらを見る雨宮が、キスしたとき(陽和目線では、夢か妄想か分からないけど)と重なり――――思わず、両手を突き出し拒絶のポーズを取った。
雨宮「ひよこ……?」
陽和「すみません、今日はもう疲れたので帰ってもいいですか?」
雨宮「あぁ、家まで送ろう」
陽和「タクシーを拾うので大丈夫です。それから、」
雨宮「それから?」
陽和「今後、こういう仕事は会社の方でお願いします……誤解されたくないので」
陽和は俯き加減でそういうと、荷物をまとめ始める。
その様子を見つめていた雨宮は、何か言いたげな表情をしていたが、結局は何も言わず陽和が乗るタクシーを呼ぶ電話をかけた。