大嫌い、だから恋人になる
「だったら歌の代わりにニセモノ彼女さんのこと聞かせて」

春香さんは言った。

「止めよう、話すことなんて無いよ」

と俺は答えた。

「どうして?あんなに前は話してたでしょ?」

俺達は確かにちひろのことを話した。

でもそれはニセモノの彼女をバカにするようなことばかり。

俺はもう二度と、ちひろをバカにするようなことを言いたく無かった。

「玲?少し変わった?」

春香さんが不思議そうに聞いた。

「変わって無いよ。何も」

と俺は答えた。
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