大嫌い、だから恋人になる
「ちひろ、どうかしたんだ?ちょっと変だぞ」

「変じゃない。ただもう少し居たいだけ。秋山君はどうなの?」

「そりゃ居たいけど、こんな遅くまで連れ回すわけにはいかないだろ。白崎じゃあるまいし。親だって心配するだろうし。今日でお別れってなら話は別だろうけど、また明日逢えるんだら」

秋山君はそのまま帰ろうとした。私は思わず秋山君の服の裾を掴んだ。

「何で?明日、また逢えるなんて限らないんだよ。今日で終わりかもしれないでしょ」

と私は言った。
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