大嫌い、だから恋人になる
「玲、準備は出来たの?」

家に遊びに来た春香さんが聞いた。

春香さんはうちの両親とも仲が良い。春香さんに任せて置けば安心だと両親は思ってる。

「じゃあ、春香さんよろしくお願いしますね」

と母さんが言った。

「大丈夫です。心配しないで下さい。玲のことはわかってますから」

春香さんが答えた。

「荷物は先に送っておく?」

と母さんは俺じゃなく春香さんに聞いた。

「いえ、これは後で良いと思います」

春香さんが答えた。

春香さんは完全に身内みたいで、改めて離れられない人なんだなと思った。

両親は俺が春香さんと別れたことを知らない。春香さんはうちの両親のお気に入りだから、そんなことがわかったらきっと揉めるだろう。

そう考えると、最初から春香さん以外の恋人なんて、考えられなかった気もする。
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