大嫌い、だから恋人になる
「まあ、悪いことは忘れて、次の授業頑張ろう」

なっちゃんが元気良く言った。

次は体育。バスケットボール。

中学の時、バスケ部のキャプテンだったなっちゃんが大得意。

ちびの私には・・・

とにかく私たちは着替えて体育館に向かった

予想通り、私は全然ボールに触れず試合に負けた。

なっちゃんはドリブルにパスに大活躍。

凜ちゃんは運動神経は大したこと無いけど、頭の良さを生かして上手く作戦を立ててた。

本当に二人とも凄い。

二人の試合が終わったから、私は隣のコートで試合をしてる男子の方を見た。

調度、秋山君が試合をしてた。

ミスしちゃえば良いのに。

そんな私の思いとは裏腹に、秋山君は凄かった。

綺麗なシュートフォーム、誰も止められないドリブル、大きな声で出す指示は、体育館中に響き渡る。

180センチのすらっと伸びた身長はコートの中で誰より目立つ。

手足もモデルみたいに長くて綺麗。

ちんちくりんな自分が惨めに思える。

試合は秋山君の活躍で秋山君のチームが勝った。

私は悔しいことに気付いたら秋山君の姿ばっかり追ってた。

< 5 / 319 >

この作品をシェア

pagetop