大嫌い、だから恋人になる
「だから私の私服」

私はくるっと廻って見た。私だって自分がアイドルみたいに可愛いなんて思って無い。でもちょっと位は褒めて欲しい。

「だから普通だって」

「普通って何?」

「普通は普通だよ」

「ちゃんと言って」

「だから普通に似合ってるってことだよ。ちんちくりんにしては悪くない」

秋山君はそれ以上、私の服を褒めてはくれなかった。でも私にはそれで十分、今日のデートは楽しくなる、私はそう思った。

それがあんなことになるなんて夢にも思って無かった。
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