拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
「俺は、凛の事が好きだ、いや、愛している。何度も諦めようと思ったが

 凛の姿が見たくて、花屋に通った。凛の全てが欲しいとずっと思うのに

 それができなかった。」

「隼人さん、私は隼人さんが生きる世界は話を聞いた今でもよくわかりません。

 怖いと思う気持ちもあります。でも、私もずっと、隼人さんのことを想って

 いました。隼人さんに会えるのが、私の幸せだったんです。」

「凛・・・」

「私が、隼人さんの側にいたいんです。隼人さん、好きです。

 私を隼人さんの恋人にしてください」

「凛、イヤ、立花凛さん、俺と結婚してください」

「えッ!け、結婚!」

「あぁ、凛、俺は絶対お前を離さない。手に入れられるなら、もう迷わない。

 俺と結婚しろ!いいな!」

最後の方は、ほとんど脅しに近かった気もするが、お互いの気持ちが同じなら

いいだろ。一年近く片思いした俺の気持ちをなめるなよ。

その後は、凛を車に乗せ、成瀬組に向かった。

凛は俺の行動の速さに驚いていたものの、腹を括ったようだった。

家には、奏と蓮とにこやかに笑う小春がこちらを見ていた。

「お兄ちゃん、凛さん、結婚式には呼んでね」

そう言うと、東の桐生に帰っていった。

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