Sucre' amour
だんだんうつむいていく夢芽の頭に、ふわりと温かいものが触れる。フランシスの大きな手だった。

「迷惑をかけてもいいんです。僕は、あなたをーーー」

フランシスが言いかけ、やめる。夢芽はゆっくりと顔を上げた。フランシスの赤い顔が近くにある。

「何か、私にできることはありませんか？こんなに迷惑をかけてしまっていますし……」

夢芽の言葉に、フランシスは少し考えた後、言った。

「なら、僕とパリの街をデートしてくれませんか？」

夢芽は一瞬、夢ではないかと思った。ゆっくりと優しさが込み上げ、夢芽は微笑みながら頷く。

フランシスが出してくれたホットミルクとマカロンは、冷たくなった夢芽の体を温めてくれる。

デートの日を決め、夢芽はどんな服を着て行こうかと考えた。



それから一週間後、夢芽はそわそわしながら待ち合わせ場所へと向かう。お気に入りのピンクのヒールを履き、ピンクのリボンのついたレトロガーリーなワンピースを着て、かわいい髪飾りをつけておめかしをした。
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