モンスターハンタールチフェル
 それから五人はそっと部屋を出て辺りをうかがうと、どうやら待ち伏せしている影は無さそうだった。

 とりあえず一行は人の多い甲板へと向かった。

「ん~、やっぱ朝はこういう所に限るもんね!」

 ルチナは甲板に着くと、大陸の見える海を眺めながら両手をそら目掛けて伸ばしながら大きく背伸びをした。

「う~ん、気持ちいいねペイ… うわっ!!」

 とたんにペイルを抱いていたレインは、何かにつまずいてペイルを投げ飛ばしながらずっこけた。

「うニャん! ご、ご主人様大丈夫ですかニャ!?」

「あいった~、何これ空薬莢?」

 レインがつまずいたのは、ボウガンに使われる弾丸を発射させるための火薬を詰めた筒だった。

「この黄色い液体からすると多分『麻痺弾Lv1』だよ。これって昨日ルチナが言ってたやつ?」

(昨夜のあいつの放った物だな、それにしても麻痺弾なんて俺たちが痺れて動けなくなった所を捕らえようって計画だったのか。でもラウスのおかげでどうにか阻止できたけどな)

「なるほどね、あいつらもあいつらなりに頭使ってくるってことか」

 その後も五人は辺りを警戒しながら船が港に着くのを待った。
< 171 / 645 >

この作品をシェア

pagetop