モンスターハンタールチフェル
 ルチナは自分の体を抱きしめながらそう呟く。そして吐く息は周りの寒さで白くなっている。

「あぁ、同感」

 この寒さに慣れていないアレックたちには、周りで平気で会話しているここの村人がうらやましく思えた。

 なんせこちらは鉄でできた防具しか身に付けておらず、それに比べて、ここの村人たちはみんなモンスターの毛皮で作られた防寒具を身に付けていたのだ。

「ねぇアレック、鍛冶屋を見つけたから後で防寒具買わない? 寒くて狩りに行く前に凍え死にしそうだわ」

「残念だが、金を持ち合わせてない」

 と言う事でルチナの案は没と言う事で、一行は凍えながらも村長の遅い足取りについて行った。

「ふぅ~、生き返るわ」

 ようやく高さ二メートルはあろう空色に光り輝く巨大なマカライト鉱石の前まで来ると、村長はすぐさま焚き火の準備をして火をつけると場所をアレックたちに譲った。

「ほんとね、温かいわ」
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