モンスターハンタールチフェル
「グァァァ!!」

 直後に異変に気付いたリオレイアの声。

 巨体が一八〇度回転して、鋭い眼光が三人を睨み付けた。そして、

「ッギャアアアアア!!!」

「っく!!」

 急にとどろく轟音に、草木が揺れて、空気が振動する。

 まるで、雪山で戦ったティガレックスの時のように両手が耳へと飛び付き、ふせぎきれなかった音が鼓膜を振動させ、今にも破けそうなスケールだ。

 アレックはまたしても身動きが取れず、頭がガンガンするのをこらえていた。

 プリルもその状態にあったが、なんとライナスだけはまったく気にせずに背中の紅色の刀を抜刀して、そのまま斬りかかっていたのだ。

 不思議なことに、ライナスには飛竜たちの咆哮が効かないらしい。

 おまけに斬撃がヒットした所から、黒い邪気が噴き出していた。

(な、何だ今の!? 黒い火花みたいなのが一瞬!?)
< 326 / 645 >

この作品をシェア

pagetop