モンスターハンタールチフェル
「ルチナ、無事でいてくれよ?」



 アレックの見つめる先には、一点で眩しく輝く月がある。

 その月は、優しい光をアレックに照り注ぎ、まるで“心配無い”とでも言っているかのようだった。

 それに安堵感を感じたのか、アレックはその場で目を閉じると、ゆっくりと寝息を立てて眠りに入ってしまったのだった。



 ・ ・ ・



 同じ月の光が照らすこの大地で、とある山奥のとある建物の中に、ルチナはいた。

 正確には豆電球に照らされた、石造りの壁に囲まれていて、鉄柱によって出入りを不可能とされた薄暗い部屋の中にいた。

 言わば、檻の中だ。



 そしてルチナはと言うと、冷たい地面に倒れ付したままで、全く身動きせずの気絶した状態であった。
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