モンスターハンタールチフェル
 換気用に開けられ穴からは、ほのかな月明かりが鉄格子に遮られながらも、ルチナの顔の辺りに降り注いでいた。

 しばらくすると、ルチナはピクピク動き始めて気を取り戻したのだ。

「う、うぅぅ―――」

 いっった~~い……



(あれ? あたし、確か気絶させられて……)

 そして立ち上がろとしたその時、

「!!?」

 ガチャン!

 足が前に進まずに、よろめいてまえのめりにこけた。

「な、何?!」

 自分の足を見ると、なんとそこには鉄製の輪っか状の物で、両足を固定されていたのだった。

「何よこれ!」

 手を差しのべようとしたけど、なぜかもう片方の腕もつられてついてきてしまい、まさかと思って自分の手首を見てみると、やはり手錠がかけられていた。

 言うまでもなく鉄製だ。
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