モンスターハンタールチフェル
 そう、アレックは記憶喪失で失った記憶を、まだ昔のことを完全に思い出したわけではない。

 覚えているといえば自分の名前がアレックという事だけで、最近は沼地での出来事くらいだろう。

 が、今回無くした記憶を呼び戻す手がかりとなりそうなものが目の前に現れたのだった。



「ちょっと聞いてる?!」

「あ、あぁ悪い聞いてなかった」

(ルチナ……か、何なんだろうな、この心のもやは)



「だから……」

「あのさ、ちょっと訊いてもいいか?」

 アレックは無理やりルチナの会話を中断させ、一応聞いてみることにした。

「俺、あんたと昔会ったことあるか?」

 もしかしたらと思ったのだ。

 これほど初対面でなれなれしい人間がいるものなのだろうか?
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