白衣の先生に恋しました。
「感謝なんて…」


「本当に先生に謝ってもらう事なんて
無いんですから」


お父さんまでもがそう言ってくれて。


だけど、俺の頭の中には陽奈ちゃんの
震えた声と赤く染まった腕、
それに俺の足の間でぐったりとする様子が
しっかりと残っている為謝ることしか
出来なかった。


「柊 陽奈さんの処置もうすぐ終わります!」


ずっと頭を下げていたら、通りかかった
看護士さんがそう言った。


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