強すぎる彼女と優しすぎる彼
さまざまな企業からも好かれていて、龍仁の名前を出すとうまくいく話も多いほどだ。
「住むところは離れて、務めるところも違うけどさ、お互いの存在は常に近くにあるんだよな。俺たち。」
「そうだな」
司の言葉に龍仁もコーヒーを飲む。

「こんな俺たちもとうとう父親になるんだよな。」
「あぁ。信じられない。」
「確かに」
二人はコーヒーで乾杯した。

お互いに妻の妊娠で付き合い以外お酒を飲んでいない。

「お前、たばこは?」
「やめた。結婚してから。」
「俺も」
そんな共通点にも二人は顔を見合わせて笑った。
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