加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
ずっと笑いをこらえるために真面目な顔になってただけなの(>_<)?



「先輩?」

「なんだよ」

「ウ~~~。バカァ」

「まぁ怒るなって、コーヒーやるから」

 と、言って飲みかけのコーヒーを手渡した。



ダ、騙サレナインダカラ(>_<)!



「いりませんっ!」

 あたしは、大山先輩が渡そうとしているコーヒーを突き返した。

 拍子に半分以上残っていたコーヒーが大山先輩目掛けて飛び散った。大山先輩のジャケットとスラックスに茶色の染みがドワ~っと広がる。

「ごめんなさいっ!」

 あたしは、慌てて大山先輩のジャケットを拭いた。

 拭いたって聞こえがいいけど、実際はハンカチもティッシュもなくて、コーヒーを手で払っただけだった。

 そして、足元に雑巾が落ちているのを見つけると、拾って、ジャケットから伝っていったコーヒーをゴシゴシこすった。

「すみませんっ。本当にごめんなさいっ。すみませんっ」

 謝りながら、あたしは染みになってしまった腿の辺りをさらにゴシゴシ拭いた。

「欄。大丈夫だから。やめろって」

 大山先輩の言葉が耳に入ってこなかった。

 ただ、夢中で大山先輩の腿をグリングリン拭いた。

「欄。落ち着けって。大丈夫だから。洗えば何ともねぇから。欄」

 肩を捕まれて、はじめて正気に戻った。



・・・あたし、雑巾でフイテル?



・・・大山先輩の、も、腿、さ、触っちゃってるよ(>_<)



 突然恥ずかしくなり顔が熱くなるのがわかった。



しかも。



こすったらダメじゃん(>_<)



叩かないといけないのに・・・(:_;)



どうしよう・・・。



顔があげられない(__)



 自分のとった行動に恥ずかしくなり、あたしは動けなくなった。

「欄?大丈夫だから。サンキュな」

 大山先輩は優しく言ってくれた。

「欄?」


・・・ヤサシクシナイデクダサイ。


 あたしは顔を真っ赤にしながら、大山先輩を見た。

「バカ、そんな顔で見るな」

 大山先輩は、火照り顔のあたしを見てそういうと車を降りてしまった。


・・・どうしよう、怒った??



大山先輩、怒った?




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