加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
 師範は、後部座席にあたしを座らせると、自分もそのまま乗り込んで、部下に車を出させるように命令をした。

 あたしは、そんなにしないで目が覚めた。

「気が付きましたか」

 師範があたしを見ながら話した。

「なんでこんな・・・。”M”に来いって、呼び出したはずじゃ・・・」

「あぁ、欄が手にはいるなら何でもいいんですよ。あんなのは口実で、欄が1人になるのを待ってただけです」



逃げなきゃ・・・。



 そんなあたしの表情を読み取ったのか。

「おもしろい話しをしてあげましょう」

 と、言い出した。



師範が、あたしに楽しい話しなんてするわけがない。



「あの刑事さんは、欄に優しくしてくれましたか?」



なんの話し・・・?



「欄のことを何にも知らないようだったので、昔話をしてあげたんですけどね」



え?!



「大山先輩に、何か言った、んですか・・・?」

「昔話ですよ。いろいろとね。昔の楽しかった毎日のことですよ。あぁ、もちろん。どこを触れられたら動けなくなるかとか。どこに触れられたら感じるのかとか?知りたそうだったんで、ついでに話しておきましたよ。少しは同様していたようにも見えましたが?」

「何を言って!勝手なこと言わないで下さい!」

「おや、まだ、怒っているのですか?」

「まだって・・・。許せるとでも思ってるんですか!?あんなっ!!」



あんな、ヒドイことしといて!



 思い出したくない記憶が師範の顔を見るとまざまざとよみがえる。

「あれは、欄が13歳になった日の、私からの誕生日プレゼントじゃないですか。寝ている欄を見ていたら、とても我慢出来なかったんですよ。1番素敵なプレゼントだったでしょう?」

「やめて下さいっ!」

 あたしは、耳をふさごうとしたが、師範がそれを阻止をし、あたしの耳元に口を近づけて。

「本当は、もっと早くに欄を奪うつもりだったんですよ。これでもかなり我慢してたんですよ」

 と、笑いながら話した。



聞きたくないっ(>_<)!



どこかに消えてっ!



 頭の奥の方がグラグラと揺れていた。

 目眩がおきた。

 師範を見ると、あの時の事を思い出し、吐きそうだった。


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