運命が紡いだ物語
「それに私が知ってるのは生まれたときから2歳までだから。
今、例えどこかであったとしてもわからないと思うわ。
ただ・・」

2歳・・

そう言って新井先生は黙り始めた。

ただってどういうこと・・・?

「どうしました?」

「いや、変なことを言うけど、背中の傷を見ればわかるかもしれない。」

「傷?」

私の背中にある大きな傷・・

でもこの傷は・・。

「うん。兄はあみちゃんとあみちゃんのお母さんの絵里さんに暴力をふるってたのは知ってる?」

「はい。ニュースで見て・・。」

ほんとはお父さんたちに聞いたから知ってるんだけど・・

「でも、その傷だけは兄のせいじゃないの。」

「えっ?」

私はとても驚いた。

背中の傷は普段自分ではよく見えないけど、
初めて見たときすごいショックを受けたのをよく覚えていた。

こんな傷を親につけられたって思うと本当につらかった。

でも、違ったっていうの?
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