運命が紡いだ物語
「あみちゃんは2歳の時、階段から落ちて、その時持っていたおもちゃで運悪く背中を大きく切ってしまったの。
それで救急で運ばれてきて、背中の傷の処置は私も一緒にやったんだけど。
あの傷からして、まだ傷跡は残ってるはず。
身内のけがだったから私もよく覚えてる。」

そんな・・

この傷は父さんにつけられたんじゃなくて自分で転んだ時にできた傷ってこと・・

ん?

ちょっと待って・・?

さっき、新井先生は私のことは2歳までしか知らないって言ってた・・、

私がけがをしたのも2歳。

私のけがと父さんの医療ミスはもしかして何か関係があるのかもしれない。

そういえば陽向も2歳の時にお母さんを亡くしたって・・。

いろんなことが重なりすぎて私の頭は完全に混乱していた。

そんなことを考えているといつの間にか処置が終わっていた。

「はいっ!もう大丈夫ね。」

「今日はいろいろとありがとうございました。」

父さんが勘当されているくらいだから、これ以上のことはこの人には聞けない。

怪しまれてしまうかもしれないし・・

「お大事にね!」

望月さんにもう一回聞いてみるしかないか・・

私はそう思い翔大と診察室を出た。
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