運命が紡いだ物語
一気に話し息が切れた私が息を整えていると、

ガシッ

結愛が抱き着いてきた。

・・強く・・強く。

痛いと思うほど強く結愛は私を抱きしめていた。

私は困惑した。

どうしたらいいかわからないまま私たちはしばらく時が止まったかのようにそのまま静止していた。

結愛・・、今何を思ってる?

怒ってる?

傷ついてる?

すると結愛の肩が上下に震えだした。

「結愛?」

そう声をかけると、結愛は顔を上げた。

その顔は涙でぐしゃぐしゃだった。

結愛・・・

「そんなつらいこと今まで一人で抱え込んでたの?」

嗚咽を漏らしながら結愛は言った。

一人じゃないよ・・。

一人だったら今きっと私はここにいないよ・・。

「一人じゃないよ・・
父さんや母さんも気にかけてくれてたし何より翔大にも本当にたくさん助けられた。
だからこそこうやって自分の口から話せたの。

実は・・・初めてなんだよね。
こうやって話すの。

でも結愛は私にとって大切な親友だからどうしても自分で言いたくて。
遅くなっちゃってごめんね。

これからも親友でいてくれますか?」

「もちろんだよ。
でも親友じゃなくて大親友だけどね。

私は・・何で早くいってくれなかったのなんて言わない。
今、花がどれだけ葛藤して話してくれたかが分かったから。

これからもよろしくね、花。」

そんな結愛の言葉に今まで我慢していた涙があふれてた。

「もう、泣かないでよ・・花。」

「結愛だって・・」

今度は私から結愛に抱き着いた。

「ありがとう。結愛。」

こんな私を受け入れてくれて・・。

それからしばらく話した後私たちは家路についた。
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