運命が紡いだ物語
「望月さん。
私も、望月さんに会うことができてよかったです。
父と母がどんな人だったのか、
それを知れたことが何よりもうれしかったです。
私もあの時は自分のことで精いっぱいになってしまって、
失礼な態度をとってしまっていたら本当にごめんなさい。
望月さんが私の実の両親の
いいところ、もちろん悪いところも含めたすべてを話してくれたこと
本当に感謝しています。
ありがとうございました。」

私は望月さんに頭を下げた。

ふと顔を上げると望月さんの目には涙がたまっていた・・

望月さんと出会えなかったら、きっと私はなんにも知らないままだった。

知らないほうがよかったって思うくらいつらかったけど、

今は実の両親のことをちゃんと知れて本当によかったって思ってる。

実の父は暴力などふるっていなかった、

父と母は人からも信頼してもらえるようなとってもいい人だった。

そして何より、父と母は私のことを愛してくれている。

その事実を知らなかったらきっと、

私は今でも実の両親のことを傷つけてしまうようなひどいことを思っていただろう。

そう思うと望月さんには感謝してもしきれなかった・・

しばらく話をして私たちは望月さんの家を出た。
< 376 / 401 >

この作品をシェア

pagetop