運命が紡いだ物語
お父さんは目にいっぱいの涙を浮かべていた。

「花・・」

お母さんは、嗚咽を漏らして泣いていた。

私はお父さんとお母さんに抱き着いた。

お父さんたちも私を抱きしめてくれた。

しばらくして落ち着いたお母さんが口を開いた。

「花・・
お母さんは、あなたが自分の娘であることが誇りよ。」

え・・・

「望月さんや、新井先生に感謝を伝えている花を見てそう思った。
あんなにつらい思いをしたのに、正直もう会いたくないって思っても不思議じゃないのに・・
『出会えてよかった』って言ってる花を見て私は涙が出そうになった。
花は、つらい思いばっかりさせてって言ってたけど
私たちは花にたくさん幸せをもらってる。
こちらこそ私たちの娘になってくれて本当にありがとう。
花からもらった言葉、一生大切にするね。」

私の目からは止まることなく涙があふれていた。

私だってお母さんからもらった言葉忘れないよ・・

「私も、実の両親が亡くなったあの日、
お母さんが私を抱きしめてくれた時の、あの優しいぬくもりを絶対に忘れない。

お父さんとお母さんになかなか心を開くことができなかった私に、
お父さんが『これからは4人で幸せになろうな』って言ってくれたこと絶対に忘れない。」
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