運命が紡いだ物語
それから1週間くらいたった頃だった。

その日の昼休み私がお手洗いから帰ってくると教室がすごく騒がしかった。

恐る恐る教室に入ると驚いたことに結愛が女の子につかみかかっていた。

「ちょっ、結愛何してるの!?」

結愛はいかりくるったようにつかみかかっていて離そうとしても離れない。

ガシッ

結愛を引き離したのは咲野君だった。

「何があったの?結愛。」

まだ興奮している結愛に私は落ち着いて聞いた。

「こいつなの!!花のことみんなに話したの!」

結愛はすごい剣幕でその子を見ていた。

「何でそんなことした?」

そう聞いたのは私でもなく結愛でもなく咲野君だった。

「もういいよ。咲野君も結愛も。行こ?」

これ以上大事にしたくなかった私が、
そう言って二人を連れてその場を離れようとした時だった。

「そういう態度がうざいの!!私たちのことなんて眼中にないくせに咲野君とはすんなり友達になって。みんなあんたのことよく思ってない!だからこんなにも広まるんだよ。あんたが殺人犯の子供だって。」

さっきの子が私に向かって怒鳴っていた。

その子の言った言葉は私の心に刺さりもしなかった。

何回も言われてきたよ・・

そんな言葉。

無視をして、その場を離れようとしたとき・・

「おい!!そんな言い方!」

「あんた最低。」

咲野君と結愛がすごい剣幕で怒り始めた。

このままにしておくと騒ぎが大きくなりかねない。

私は、結愛と咲野君だけは守りたい。

翔大にはつらい思いをさせてしまったから・・。
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