私の中におっさん(魔王)がいる。
「黒田様の部下で、翼(よく)ともうします」
翼さんは挨拶を終えると、「では、失礼します」と告げて、愛想なく部屋を出て行った。それを合図にしたように、結さんも柳くんも部屋をあとにした。
私は若干ぽかんとしてしまった。
従者とか、部下とか、そんな人達がいるって毛利さん達ってそれなりの立場がある人達なの? 少年にしか見えない黒ちゃんにさえ、部下がいるって……。しかも、大人で、こわもてな。
私は、ゆっくりと部屋に残っていた月鵬さんを見た。
「あの、月鵬さんはアニ――花野井さんの部下の方なんですよね?」
「部下と申しますか……。参謀をやらせていただいておりますが、まあ、部下という位置づけでしょうか」
月鵬さんは独り言のような口調で言った。
「参謀?」
「ええ。花野井は元は山賊の頭領で、私はその補佐についていたもので」
「山賊!?」
この世界には、そんな物騒な集団までいるの!? っていうか、こんなモデルさんみたいにキレイな人が山賊で、そのカシラがアニキだなんて……。たしかに、はじめて会ったときは怖いと思ったけど、すごく良い人なのに……。とても信じられない。
翼さんは挨拶を終えると、「では、失礼します」と告げて、愛想なく部屋を出て行った。それを合図にしたように、結さんも柳くんも部屋をあとにした。
私は若干ぽかんとしてしまった。
従者とか、部下とか、そんな人達がいるって毛利さん達ってそれなりの立場がある人達なの? 少年にしか見えない黒ちゃんにさえ、部下がいるって……。しかも、大人で、こわもてな。
私は、ゆっくりと部屋に残っていた月鵬さんを見た。
「あの、月鵬さんはアニ――花野井さんの部下の方なんですよね?」
「部下と申しますか……。参謀をやらせていただいておりますが、まあ、部下という位置づけでしょうか」
月鵬さんは独り言のような口調で言った。
「参謀?」
「ええ。花野井は元は山賊の頭領で、私はその補佐についていたもので」
「山賊!?」
この世界には、そんな物騒な集団までいるの!? っていうか、こんなモデルさんみたいにキレイな人が山賊で、そのカシラがアニキだなんて……。たしかに、はじめて会ったときは怖いと思ったけど、すごく良い人なのに……。とても信じられない。