Fall -誘拐-
展望台に着いた頃、
真っ赤な夕陽が僕達を差していた。
リカのお母さんの手術が成功して、黒部家にとって再スタートとなる一歩目の日。
そして僕達の関係もまた、
大きな一歩目を踏み出す日。
「ちゃんと言ってなかったから、
今日この場でハッキリ言います。
僕は世界中の誰よりもリカの事が好きです。
だからフラフラしてた自分にケジメをつけて、
ちゃんとした仕事に就いて、誰からも文句を言われない平凡な男になります。
だから・・僕と結婚してください!!」
二人の名前を書いた南京錠を取り付けて、鐘を鳴らす。
夕陽は沈みかけ、
ちょうど夜空も少し顔を出していた。
時間が止まった気がして、
永遠に続く時間だとも錯覚した。
「「・・・・・・・・・・・・。」」
涙を浮かべて“YES”と返事してくれたリカをぎゅっと抱きしめた後、
湘南の海景色を背景に、
僕達は誓いのキスを交わした。