幼馴染との正しい距離感
「…」



…ま、いいや。
とりあえず私は顔洗って着替えてこよう。


微動だにしないこーくん。


そのまま放置して
ベッドからおりようとして



「……へ?」



ぐいっと後ろから腕を引かれて


私は再びベッドの上に逆戻り。



「……どこ行くの?」

「……おはよう、こーくん」



薄く開いたこーくんの瞳に
びっくり顔の私がうつる。



こーくんに抱きしめられて


しかも超至近距離で見つめられて


心臓がどきどきうるさい。



「こーくん、なんでここにいるの?」

「……そんなことより
もう少しここにいて……」



どうやら、まだ寝ぼけているみたい。


うとうとした目で私を見ながら
抱き枕を抱き締めるように


ぎゅっと私の体を引き寄せる。



「こ、こここ、こーくんっ
流石にこれは困るっ!」

「……なにが」

「近いっ、色々恥ずかしいっ」

「……僕は恥ずかしくないから大丈夫」



すりすりと甘えるように

まだ寝ぼけてる様子のこーくんが
私の胸元に顔を寄せる。





「わ、私が大丈夫じゃないのーーー!!」
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