midday crow
ああだこうだ言い散らかし、気がつくと一時間が経っている。

「はっ。……驚いた」

「え?」

「うわ、だいぶ経ってたんだな」

下校時刻が近い。

太陽はこの一時間で、ますますやつれたようである。

彩人が肩を揺さぶっているが、首ががくがくと不安定で怖い。

「りゅうねんしたらどうしよう」

彼の目には、うっすら涙の膜が張っているようにも見える。

こんなことで泣くな。
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