midday crow
介護が必要な老人を世話する心持ちで、太陽の荷物を整理してやる。

その間に彩人と焔が机を戻した。

ふと隣を見ると、七瀬と凛も帰り支度をしている。

まだなにやら言い合っていて、漫才に底はないのかとか、元気だなとか、仲がいいなとか思ったりした。

それから六人固まって、駅まで向かうことにする。

他愛ない話をしつつ、尽きることなく流れてくる漫才を聞きつつ、なんだか紅羽は不思議な気分である。

かなり疲れているはずなのに、体は重くない。

気だるさの中に心地良さがあって、なぜだか空が綺麗に見えた。

梅雨の間の、貴重な晴れ間だからかもしれない。
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