二人を繋ぐ愛の歌
「それより陽人さん……じゃなくて陽人、手を離してくれる?荷物が結構重たくて……」

そう言うと陽人は掴んだ腕を見て以前と同じように大量の惣菜が入っている【多幸】と書かれた袋がぶら下がっていることにようやく気付くと慌てて手を離した。

「あ、ごめん……って口調……タメ口になってる……」

「え?友達になりたいから敬語はなしって陽人が言ったんじゃない」

平然と言ってのけたつもりだけど、実際は本当にタメ口で良かったのかと内心ドキドキしていた。
そんな沙弓に陽人は苦笑しつつ口を開いた。

「まさかこんなにすぐに敬語がなくなると思わなかった。
それに呼び方も……」

「えっと、同僚に聞いたら私と陽人ってそんなに歳が離れてないみたいだし、だったらいいかなって……それとも私が呼び捨てるのは問題あるかな?」

「いや、何の問題もない……」

そう答えた陽人は何がそんなに嬉しいのか満面の笑みを浮かべていたので沙弓は安心して胸を撫で下ろしたのだった。
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