二人を繋ぐ愛の歌
「陽人がアイドルを好きでやってるって言ったのを聞いて、Shineの歌がどうして人気があるのか少し分かった気がしたの」

遥に見せられたライブのDVDやPVなどを思い出す。

Shineの二人は光輝くステージの上で観客と一体になって楽しそうに歌って踊っていた。
それは今尚アイドルの頂点に君臨しているKaiserにはない一体感で、それがShineの魅力の一つなのだと感じた。

「好きだから……だからあんなに楽しそうに歌が歌えるんだね」

お世辞でも媚びでもない心からの真っ直ぐな言葉を伝えると勇人が小さく息を飲んだようだった。

「えっと、それだけ伝えたかったの。
それじゃ、またね」

すごく恥ずかしいことを言ってしまった気がして沙弓は手を振り一度も振り返ることなく足早にマンションに入った。

ドキドキと胸が高鳴って折角冷めた頬の熱も振り返してしまったようで沙弓は運よくすぐに来たエレベーターに飛び乗ると両頬に手を添えて俯くのだった。
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