冬の王子様の想い人
「おはよう、その名前で呼ぶな」
最早取り繕いもせず、バッサリ言う。
「お、おはよう、葉山さん」
「登校も一緒なの? 本当狡いなあ、ナナちゃん。あ、夏加って呼んでね! 私もナナちゃんって呼ばせてもらうから。ねえ、一緒に教室に行こうよ」
雪華の剣呑な雰囲気を無視して葉山さんは一方的に話す。
「……ある意味すごいわね、この子」
「だろ。クラスでもずっとこんな調子でまとわりついてる。基本的に雪華はナナちゃん以外の女子には冷たいけどさ」
背後でふたりの友人がボソボソ話していた。
「七海を送るから葉山とは行かない」
取り付くしまもない言葉に葉山さんは拗ねたような表情を見せる。
「えー……ダメなの?」
なぜか私を見つめる。口元は微笑んでいるのに、大きな目は冷たいままだ。
「あ、あの雪華、葉山さんと一緒に行ってあげて」
思わず口にすると、鋭く一瞥されてイラ立った声で反論された。
「無理。行くぞ。桜汰、日村、悪いけど先に行く」
そう言って私に靴を履き替えさせて、強引に絡めた指を引っ張る。
十組の靴箱前で自身の靴を履き替えて、振り返りもせず教室に向かう。
その一部始終を見ていたほかの生徒たちからは三角関係か、などと早々に噂されてしまっていた。
最早取り繕いもせず、バッサリ言う。
「お、おはよう、葉山さん」
「登校も一緒なの? 本当狡いなあ、ナナちゃん。あ、夏加って呼んでね! 私もナナちゃんって呼ばせてもらうから。ねえ、一緒に教室に行こうよ」
雪華の剣呑な雰囲気を無視して葉山さんは一方的に話す。
「……ある意味すごいわね、この子」
「だろ。クラスでもずっとこんな調子でまとわりついてる。基本的に雪華はナナちゃん以外の女子には冷たいけどさ」
背後でふたりの友人がボソボソ話していた。
「七海を送るから葉山とは行かない」
取り付くしまもない言葉に葉山さんは拗ねたような表情を見せる。
「えー……ダメなの?」
なぜか私を見つめる。口元は微笑んでいるのに、大きな目は冷たいままだ。
「あ、あの雪華、葉山さんと一緒に行ってあげて」
思わず口にすると、鋭く一瞥されてイラ立った声で反論された。
「無理。行くぞ。桜汰、日村、悪いけど先に行く」
そう言って私に靴を履き替えさせて、強引に絡めた指を引っ張る。
十組の靴箱前で自身の靴を履き替えて、振り返りもせず教室に向かう。
その一部始終を見ていたほかの生徒たちからは三角関係か、などと早々に噂されてしまっていた。