冬の王子様の想い人
「嫌だ、図星?」
フフッと可愛らしく口角を上げて言われ、手にしていたパンの入った手提げ袋と財布をギュッと握りしめた。
彼女は上り階段を背にして、私の正面に立ちはだかった。
「私がナツなのよ?」
ゆっくりと言葉を紡ぐその声には余裕すら感じられる。
目の前が真っ白になり、足元が崩れ落ちていく気がした。
葉山さんの声が私の胸に鋭い刃のように突き刺さって、胸の中に氷塊を呑み込んだかのような冷たさが広がっていく。
「う、そ……」
絞り出した声は情けなくも掠れていた。
ああ……やっぱり、葉山さんがナツさんだったんだ。
恐れていた予感が的中してしまった。手が震えてしまうのを止めれない。
「嘘じゃないわ。だって私は夏加だし、ナツに決まってるでしょ? 小さい頃からよく一緒に公園で遊んでいたし、自宅だって近かったわ。雪華くんの名前を一番最初に褒めたのは私なのよ?」
明るく言い放つその声には迷いが一切感じられない。彼女の言い分は昨日楠本くんに聞いたものとは違っていた。
「でもだったらどうして、今まで……」
雪華が見つけられなかったの?
そんなにも近い場所にいた葉山さんの存在に気づかなかったり、見逃すなんてありえない。
フフッと可愛らしく口角を上げて言われ、手にしていたパンの入った手提げ袋と財布をギュッと握りしめた。
彼女は上り階段を背にして、私の正面に立ちはだかった。
「私がナツなのよ?」
ゆっくりと言葉を紡ぐその声には余裕すら感じられる。
目の前が真っ白になり、足元が崩れ落ちていく気がした。
葉山さんの声が私の胸に鋭い刃のように突き刺さって、胸の中に氷塊を呑み込んだかのような冷たさが広がっていく。
「う、そ……」
絞り出した声は情けなくも掠れていた。
ああ……やっぱり、葉山さんがナツさんだったんだ。
恐れていた予感が的中してしまった。手が震えてしまうのを止めれない。
「嘘じゃないわ。だって私は夏加だし、ナツに決まってるでしょ? 小さい頃からよく一緒に公園で遊んでいたし、自宅だって近かったわ。雪華くんの名前を一番最初に褒めたのは私なのよ?」
明るく言い放つその声には迷いが一切感じられない。彼女の言い分は昨日楠本くんに聞いたものとは違っていた。
「でもだったらどうして、今まで……」
雪華が見つけられなかったの?
そんなにも近い場所にいた葉山さんの存在に気づかなかったり、見逃すなんてありえない。