溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜

でも、仕事後だから空腹なのはたしか。

オススメの店が前の高級店みたいなところだったらどうしよう。

今日はベージュのシフォンワンピースだけれど、カジュアルだしドレスコードが必要なお店に向かないのは一目瞭然。

ひとり青ざめているとクスッと笑われた。

「大丈夫だ、今日はカジュアルな店だから」

まるで思考を読み取られたかのように安心させる言葉をくれる。

「そ、そうなんですか。よかった」

ホッと胸を撫で下ろしていると、隣からはずっと視線が送られ続けてそれは私を責めるような目をしている。

「な、なんでしょう?」

「今日は洗いざらい全部吐いてもらうから、そのつもりで」

ギョッとしてみせても、篠宮先生はもうそう決めているかのように強い意志を秘め眼差しで私を見続けた。

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