こんな展開聞いてませんっ!~学年一の悪女がヒロインにポジションチェンジしたって本当ですか!?~


「はいはい、しずかに! クラス替えでテンションが上がってるのはわかるけど、そろそろ席について!」

新しい担任の先生はそう声をかけた。

当然、ヒロインではない私の担任はイケメンではなく三十代の女性教師だ。落合 冬子先生といい、誰にでも分け隔て無く平等な姉貴肌な先生なので私は陰で姉さんとよんでいる。担当教科は英語である。

友達のいない私は、何かと(ペアなどをつくるときなどなど)先生との連携が必要などである。

悲しい連携である。

と、一人で色々考え込んでいたわけだが。


「榊原 玲也さん」

「はい……」

気怠げなそんな声は隣から聞こえる。
そんな声が聞こえた途端、女子から抑えた黄色い歓声が聞こえる。

まぁ、学年一のイケメンですからね。

席隣ですね。
イケメンの鑑賞は間に合ってますし、女子からの殺気で胃がキリキリと痛むので嬉しくはないです。
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