花とバスケと浴衣と
翌朝、早めに起きて、キッチンに立ち、昨日焼いたケーキを切り分け、家族用と、友達用とを分けて、ラッピングした。健くんを含む祐樹の友達用と、バイト先、ミマ、類先輩と小さな紙袋に分けて入れ、保冷バックに2つに分けて入れた。起きてきた祐樹に言った。
「祐樹、これ持っていって。健くんたちの分。」
「まじで。やったー。」
「私の分は?」
「花音昨日味見したんでしょ?どうだった?」
「もちろん美味しかったよ。千花姉ほんとにチーズケーキ屋さんやればいいのに。」
「バカ言わないで。早く顔洗ってきなさい。」
「はーい。」
「おはよ。」
「おはよ。まさくんの分、ちゃんと名前書いて置いたからね。花音に食べられないように気をつけなよ。」
「うん。ありがと。帰ってきたら食べる。」
いつもの朝の光景を見ながら、千花は余っていたコッペパンに、レタスとチーズとウインナーを乗せて、なんちゃってホットドックと、食パンに昨日の残りのポテトサラダを塗ってくるくると巻いてサンドイッチを作り、ジップロックに入れて保冷バックに一緒に詰め、大学へ向かった。一限目が終わって、千花はミマに保冷バックから絵柄のついたジップロックに入れたベイクドチーズケーキを渡した。
「うわ、久しぶり。千花のケーキだ。うれしい。」ミマは満面の笑みで喜んでくれた。
「ホント久しぶりに作ったら、ちょっとストレス発散できたよ。」
「こういうの作ってストレス発散って、やっぱり千花ってすごいよね。」
「だって、美味しいものの匂いに囲まれてると幸せな気分になるでしょ?」
「まぁ分からないでもないけど…。類先輩にも渡すの?」
「うん、約束しちゃったし。」
「そういえば、しばらく見てないけど。」
「レポートに追われてたみたい。今日提出するって言ってたから、今日は練習行くんじゃない?」
「そっか。ちゃんと連絡は取ってるんだ。」
「心配症だからね。変わったことはないか?って。」
「保護者だね。」
「完全に。」二人で吹き出して笑っていると、電話が鳴った。
「噂をすれば?」とミマの言葉に表示を確認すると類先輩だった。千花は頷いて電話に出た。
「もしもし?」
「千花ちゃん?オレ、昼前には大学つくから、お昼一緒に食べよう。」
「お疲れ様です。わかりました。」
「図書館のカフェで良い?」
「はい、大丈夫です。」
「じゃ、また後で。」ぷつっと電話が切れた。徐ろにチーズケーキを食べ始めていたミマが
「ランチの約束?」と聞いた。千花が照れながら頷くと、ミマは言った。
「このケーキで更に類先輩は千花に夢中になるんだろうな。」
「そんなわけないよ。」
「でも、これホントに美味しいよ。販売したら?」
「ミマまでそういうこと言わないの。」
「誰が言ったの?」
「妹。」
「あー、あの美少女の花音ちゃんか。中学生だっけ?」
「うん。受験生だよ。」
「そっか。頑張れって言っといて。」
「ありがと。ミマが頑張れって言ってたなんて言ったら、花音感激してギャーギャー言いそう。ミマの大ファンだから。」
「何よそれ。」二人で笑いながら教室を移動した。

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