花とバスケと浴衣と
翌朝、いつもより早く家を出て、一度駅へ向かい、コインロッカーに紙袋を預け、千花は大学へ向かった。既に登校していたミマに気づき声をかけた。
「おはよ。」
「千花。あんたスマホの電源切ったでしょ。」ミマに言われて、初めてまだ電源を入れていないことに気がついた。
「え?あぁ、忘れてた。」今朝充電器から抜いてきたスマホの電源ボタンを長押しして起動させていると、ミマが隣で大きなため息をついた。
「無視するって言ってたけど、まさかソコまで徹底するとは思わなかったよ。」
「ごめんごめん。何か用事あった?」
「用事どころの騒ぎじゃないよ。迷惑料千花に払ってもらうよ。」
「何の話?」
「私の所に類先輩から山のようなメッセージが届いて挙句の果てには電話がかかってきたんですけど。」
「え?」
「千花ちゃんから返事が来ない。電話もつながらないって。」
「それは失礼しました。でも、普通、電源落ちてたら諦めるでしょ?」
「まぁ、煽ったのは私だけど。」
「え?」
「昨日の練習の時、嬉しそうに写真を見せつけて回ってたから、千花その写真見て怒ってましたよって言っといたの。」
「そうだったんだ。ありがとう、ミマ。ナイスアシスト。」
「その時は、まぁ千花は恥ずかしがり屋だからな。照れちゃって可愛いぐらいの軽い感じで類先輩も流してたんだけど、いざ夜になってメッセージを送ったらいつまで経っても既読にならず、電話もつながらないって焦ったんじゃない?」
「知らないよ、そんなの。」
「夜中の12時にどうしよう?千花ちゃんどのくらい怒ってた?っておどおどした声の電話で起こされる私の身にもなってよ。」
「ははは。ごめんごめん。そんなことになってたとは。」
「で、どうしたの?ミマは。話聞いてあげたの?」
「まさか。そんなの知りませんよって電話切ったらすぐにまたかかってきたから、士郎さんに言いますよって言ったら、かかってこなくなった。」
「フジさんの力って偉大だね。」
「まぁね。でも、今電源入れたってことはさ、ライン、すごいことになってるんじゃない?」ミマに言われて確認すると、類先輩からのメッセージが30件と何故か長谷部さんからのメッセージが2件来ていた。千花は迷わず長谷部さんからのメッセージを見た。
「千花ちゃん、怒ってるってホント?類が煩いから返事してあげて。」
「頼む。まじで、アイツウザいよ。気づいたら連絡してよ。」
ナニコレ…類先輩長谷部さんに泣きついたってこと?と思いながら、千花はとりあえず、長谷部に返信を送った。
「おはようございます。すみません。スマホの充電が切れてました。何かご迷惑をおかけしたようですみませんでした。」すぐに返事が来た。
「切れてましたじゃなくて、切ってましたでしょ?」さすが、長谷部さんバレている。でも敢えてはぐらかした。
「すみません。ウッカリしてました。」
「しらばっくれる気だね?とりあえず、類に連絡してあげて。」
「わかりました。ありがとうございます。」なんだかんだと類先輩は皆に愛されてるなと思いながら、千花は類先輩のトーク画面を開いた。
「今日はあの後何もなかった?」
「お昼に会えて良かったね?」
「千花ちゃん、何してるの?」
「返事して。」
「もしかして、怒ってる?」
「ごめんなさい。釈明させて。」
「千花ちゃん…。電話に出て。」
「ごめんなさい。許して。」
「オレのこと嫌いになった?」
「ごめん。千花ちゃん、お願い電話に出て。」最後のメッセージは午前3時になっていた。千花はちょっと申し訳ない気持ちになりながらも、先程と同じように類先輩にもメッセージを送った。
「おはようございます。すみません。スマホの充電が切れてたみたいで、今気づきました。何度も連絡をもらっていたみたいですみません。」直ぐに着信が入り、千花は電話に出た。
「もしもし?」
「もしもし、千花ちゃん?良かったー。」類先輩の安堵しきった声を聞いて、千花はムッとした。
「何か用ですか?」冷たく言った言葉に、
「え?用事っていうか…。」突然の千花の反撃に虚を疲れた様子の類先輩に千花は畳み掛けるように言った。
「すみません。もう授業が始まりますので、失礼します。」ぷつっと電話を切った千花を見て、ミマは、驚いた顔をしてから、
「千花は絶対敵に回しちゃ駄目だって今再確認したよ。」と笑った。
「怒ってるって意思表示はしとかないとね。」と千花も笑った。
昼休みの時間に、類先輩から電話がかかってきた。
「千花ちゃん?」とビクビクした感じの電話口の類先輩に、千花は、敢えて言った。
「類先輩、私怒ってますよ。」
「ごめん。」
「ちょっとおふざけが過ぎませんか?」
「ごめんなさい。」
「誰が撮ったんですか?」
「え?」
「あの写真。」
「えっと…長谷部に頼んで。」
「で、33の応援サークルに流した。」
「いや、それはオレの意志じゃなくて。」
「じゃぁ何でカメラ目線でピースしてるんですか?」
「千花ちゃんとのツーショット写真がほしいなと思って…。」
「だったら何でそう言ってくれないんですか?」
「嫌がるかなと思って。」
「誰にも見せないなら別に嫌がりません。」
「誰にも見せないって無理じゃん。」
「消して下さい。」
「え?」
「肖像権侵害です。」
「そんなこと言わないで。」
「消さないと許しません。」
「わ、わかった。ちゃんと消します。」
「長谷部さんのも消してもらって下さい。」
「え?」
「嫌なら私が頼みます。」
「いや、自分で言います。」
「約束ですよ。」
「はい、守ります。」
「じゃぁもう許します。」
「ホントに?」
「はい。」
「嫌いになってない?」
「嫌いになれたら良いんですけどね…。」思わず出てしまった本音に、
「千花ちゃんありがとう。」と類先輩は言った。
「授業の後、私ちょっと寄りたい所があるので、駅で待ち合わせでも良いですか?」
「え?迎えに行くよ。」
「いえ、駅でお願いします。」
「わかった。千花ちゃん、もうホントに怒ってない?」
「怒ってないです。」
「…分かった。じゃぁ、駅で大人しく待ってます。」
「はい、お願いします。」電話を切って千花はフーとため息をついた。怒るのも結構体力使うなと、千花は思った。
「おはよ。」
「千花。あんたスマホの電源切ったでしょ。」ミマに言われて、初めてまだ電源を入れていないことに気がついた。
「え?あぁ、忘れてた。」今朝充電器から抜いてきたスマホの電源ボタンを長押しして起動させていると、ミマが隣で大きなため息をついた。
「無視するって言ってたけど、まさかソコまで徹底するとは思わなかったよ。」
「ごめんごめん。何か用事あった?」
「用事どころの騒ぎじゃないよ。迷惑料千花に払ってもらうよ。」
「何の話?」
「私の所に類先輩から山のようなメッセージが届いて挙句の果てには電話がかかってきたんですけど。」
「え?」
「千花ちゃんから返事が来ない。電話もつながらないって。」
「それは失礼しました。でも、普通、電源落ちてたら諦めるでしょ?」
「まぁ、煽ったのは私だけど。」
「え?」
「昨日の練習の時、嬉しそうに写真を見せつけて回ってたから、千花その写真見て怒ってましたよって言っといたの。」
「そうだったんだ。ありがとう、ミマ。ナイスアシスト。」
「その時は、まぁ千花は恥ずかしがり屋だからな。照れちゃって可愛いぐらいの軽い感じで類先輩も流してたんだけど、いざ夜になってメッセージを送ったらいつまで経っても既読にならず、電話もつながらないって焦ったんじゃない?」
「知らないよ、そんなの。」
「夜中の12時にどうしよう?千花ちゃんどのくらい怒ってた?っておどおどした声の電話で起こされる私の身にもなってよ。」
「ははは。ごめんごめん。そんなことになってたとは。」
「で、どうしたの?ミマは。話聞いてあげたの?」
「まさか。そんなの知りませんよって電話切ったらすぐにまたかかってきたから、士郎さんに言いますよって言ったら、かかってこなくなった。」
「フジさんの力って偉大だね。」
「まぁね。でも、今電源入れたってことはさ、ライン、すごいことになってるんじゃない?」ミマに言われて確認すると、類先輩からのメッセージが30件と何故か長谷部さんからのメッセージが2件来ていた。千花は迷わず長谷部さんからのメッセージを見た。
「千花ちゃん、怒ってるってホント?類が煩いから返事してあげて。」
「頼む。まじで、アイツウザいよ。気づいたら連絡してよ。」
ナニコレ…類先輩長谷部さんに泣きついたってこと?と思いながら、千花はとりあえず、長谷部に返信を送った。
「おはようございます。すみません。スマホの充電が切れてました。何かご迷惑をおかけしたようですみませんでした。」すぐに返事が来た。
「切れてましたじゃなくて、切ってましたでしょ?」さすが、長谷部さんバレている。でも敢えてはぐらかした。
「すみません。ウッカリしてました。」
「しらばっくれる気だね?とりあえず、類に連絡してあげて。」
「わかりました。ありがとうございます。」なんだかんだと類先輩は皆に愛されてるなと思いながら、千花は類先輩のトーク画面を開いた。
「今日はあの後何もなかった?」
「お昼に会えて良かったね?」
「千花ちゃん、何してるの?」
「返事して。」
「もしかして、怒ってる?」
「ごめんなさい。釈明させて。」
「千花ちゃん…。電話に出て。」
「ごめんなさい。許して。」
「オレのこと嫌いになった?」
「ごめん。千花ちゃん、お願い電話に出て。」最後のメッセージは午前3時になっていた。千花はちょっと申し訳ない気持ちになりながらも、先程と同じように類先輩にもメッセージを送った。
「おはようございます。すみません。スマホの充電が切れてたみたいで、今気づきました。何度も連絡をもらっていたみたいですみません。」直ぐに着信が入り、千花は電話に出た。
「もしもし?」
「もしもし、千花ちゃん?良かったー。」類先輩の安堵しきった声を聞いて、千花はムッとした。
「何か用ですか?」冷たく言った言葉に、
「え?用事っていうか…。」突然の千花の反撃に虚を疲れた様子の類先輩に千花は畳み掛けるように言った。
「すみません。もう授業が始まりますので、失礼します。」ぷつっと電話を切った千花を見て、ミマは、驚いた顔をしてから、
「千花は絶対敵に回しちゃ駄目だって今再確認したよ。」と笑った。
「怒ってるって意思表示はしとかないとね。」と千花も笑った。
昼休みの時間に、類先輩から電話がかかってきた。
「千花ちゃん?」とビクビクした感じの電話口の類先輩に、千花は、敢えて言った。
「類先輩、私怒ってますよ。」
「ごめん。」
「ちょっとおふざけが過ぎませんか?」
「ごめんなさい。」
「誰が撮ったんですか?」
「え?」
「あの写真。」
「えっと…長谷部に頼んで。」
「で、33の応援サークルに流した。」
「いや、それはオレの意志じゃなくて。」
「じゃぁ何でカメラ目線でピースしてるんですか?」
「千花ちゃんとのツーショット写真がほしいなと思って…。」
「だったら何でそう言ってくれないんですか?」
「嫌がるかなと思って。」
「誰にも見せないなら別に嫌がりません。」
「誰にも見せないって無理じゃん。」
「消して下さい。」
「え?」
「肖像権侵害です。」
「そんなこと言わないで。」
「消さないと許しません。」
「わ、わかった。ちゃんと消します。」
「長谷部さんのも消してもらって下さい。」
「え?」
「嫌なら私が頼みます。」
「いや、自分で言います。」
「約束ですよ。」
「はい、守ります。」
「じゃぁもう許します。」
「ホントに?」
「はい。」
「嫌いになってない?」
「嫌いになれたら良いんですけどね…。」思わず出てしまった本音に、
「千花ちゃんありがとう。」と類先輩は言った。
「授業の後、私ちょっと寄りたい所があるので、駅で待ち合わせでも良いですか?」
「え?迎えに行くよ。」
「いえ、駅でお願いします。」
「わかった。千花ちゃん、もうホントに怒ってない?」
「怒ってないです。」
「…分かった。じゃぁ、駅で大人しく待ってます。」
「はい、お願いします。」電話を切って千花はフーとため息をついた。怒るのも結構体力使うなと、千花は思った。