部長は私を甘やかしすぎです!
第二十五章

○本社ビル

内田 「ありがとうございます。サクラスーパー舟木店内田でございます」

竜二 「本社の真中です」

内田 「あっ、部長お疲れ様です」

竜二 「お疲れ様です。月末そっちに行きますから」

内田 「はい、何時頃になりますか?」

竜二 「三時頃になると思います」

内田 「わかりました」


○八月三十一日
サクラスーパー舟木店

内田が外で待っていた

内田 「お疲れ様です」

竜二 「お疲れ様です、店長は?」

内田 「店長室にいます」

竜二 「引き継ぎは済みましたか?」

内田 「あとは今日締日なので最後に従業員の残業のチェックだけです」

竜二 「やり方は教えてもらってますか?」

内田 「はい、あの一応店長に花を用意したんですが、社員からだけなんですけど」

竜二 「渡してあげるといいですね(笑)」

内田 「じゃあ、ちょっと社員だけ集めてきます」

竜二は店長室をノックする

店長 「はい」

竜二 「お疲れ様です」

店長 「あっ、お疲れ様です」

竜二 「荷物の整理はできましたか?」

店長 「はい」

竜二 「三沢店の店長はあなたより少し若いですがしっかりしているのでよく行動を見て店長としてやるべきことをもう一度思い出して欲しいです」

店長 「はい」

内田 「失礼します。店長、舟木店の社員一同からです。お疲れ様でした。三沢店へ行っても頑張ってください」

内田は代表して花束を渡した

店長 「ありがとう」

竜二 「店長、何かみんなに一言……」

店長 「みんなありがとう。びっくりしました……三沢に行っても頑張ります」

従業員は店長室から出て行った

竜二 「三沢店の店長から明日は七時半に来てくださいと聞いてます。遅れないようにお願いします」

店長 「七時半ですか!」

竜二 「はい、では私は失礼します」

竜二は部屋から出て店の外に出る

内田が追いかけて走ってくる

内田 「部長、お帰りですか?」

竜二 「はい、明日七時半に店に来てくれと言ったら驚いてました(笑)みんな来てるのに」

内田 「そうですか」

竜二 「鍵の管理だけしっかり頼みます。秋の店長試験に受かったらちゃんと研修期間も設けるからゆっくり、今まで通りお願いします」

内田 「はい、ありがとうございます」


○九月一日、サクラスーパー三沢店

店長 「おはようございます」

澤田 「おはようございます。今日からお願いします。」

店長 「こちらこそ、一人ご主人の転勤で辞めた人がいて、人手不足だったので助かります。とりあえず一ヶ月は私について行動してもらいます」

澤田 「はい」

店長 「ほぼ、舟木と変わらないと思いますが、荷物はここへ。これがロッカーの鍵です」

二人はスタッフルームにやってくる

店長がポットの準備をする

店長 「ここで、休憩や食事を、朝来たらポットに水をいれてくださいね。ここにおいてあるコーヒーやお茶やお菓子は好きに飲んでかまいません。あと冷蔵庫に入れたいものがあれば名前を書いて入れてください」

澤田 「はい」

店長 「ここが掃除道具です。はい、これを」

澤田にほうきとちりとりを渡して店の外に出る

店長 「駐車場の大きなゴミを拾います。後は掃除の人がしてくれますから朝一番だけお願いします」

二人は店の裏に回る

店長 「おはよう」

越智 「おはようございます」

店長 「今日からここで働いてもらう澤田さんです」

澤田は頭を下げた

越智 「仕入れ担当の越智です。よろしくお願いします」

店長は出入りするトラックの運転手と世間話をしていた

澤田 (あまり、裏には来なかったな。運転手の顔も知らなかったし……)

時間は八時を過ぎて次々と従業員が来はじめる

店員 「おはようございます」

店長 「おはよう」

店長はスタッフルームでみんなと談笑する

開店十五分前

みんなが一斉に持ち場に行き準備をして五分前に集合する

店長 「今日から三沢店で一緒に働いてくれる澤田マネージャーです。みなさんよろしくお願いします」

澤田 「澤田です。よろしくお願いします」

みんなから拍手で迎える

店長 「では開店です。澤田さんはあちらの入り口でお客様にご挨拶をお願いします」

澤田 「はい」


三十分後スタッフルームに戻ってくる

店長が冷たいお茶を出してくれた

店長 「喉が渇いたでしょう(笑)少し休憩してください。私は少し事務仕事をしてくるので」

店長はそういって部屋から出て行った

澤田は椅子に座ってお茶を飲む

夕方五時まで店長と仕事をした

店長 「お疲れ様でした。これ、今月の私のシフトです。都合が悪い日があれば言ってください」

紙を渡され澤田は着替えにロッカーへ行った

澤田 (足がパンパンだ。こんなに向こうでは歩いてなかったな……)


○竜二のマンション

竜二 「雫ちゃん、おかえり。今日澤田さん見た?」

雫  「うん、店長と歩いてるところみたよ。ねー、学校始まったら四時か四時半から入っていい?」

竜二 「いいよ、店長に言っておいて。でも五時間超えるときは必ず三十分は休憩とること、わかったね」

雫  「はい(笑)」

竜二 「これから行楽シーズンだし運動会シーズンだなー、雫ちゃんならお弁当何いれる?」

雫  「私は普通に卵焼きとかウインナーの定番は入れるけど最近、運動会にオードブルを頼んで昼休みに入る前に店に取りに来たりとかも聞くよ」

竜二 「手作りしない人もいるってことか……」

雫  「お盆もお惣菜のほうではオードブルが売れてたよ」

竜二 「冷凍食品半額と四割をしようと思ってたんだけどな」

雫  「今も週一は半額なんだからそれとは別に一品か二品だけ四割にすればいいんだよ。よく売れる唐揚げとか」

竜二 「そっか、なるほどね。じゃあ明日課長に相談して、オードブルの注文を受付するように貼り紙しようかな」

雫  「うん」

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