瓦礫の剣士
その選択は間違いではなかった。高台に避難した時、目の前で起こっていることに俺は呆然とするしかなかった。

黒い波が、町を飲み込んでいく。俺の体が震え、今にも崩れ落ちそうな体をなんとか支える。

避難所では、多くの人が笑顔を失っていた。誰もが涙を流し、全てを失った絶望に震えていた。

そしてーーー。

大切な人を失った人たちの悲鳴は、俺の心に深い傷だけを残していった。
< 3 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop